サピエンス全史から学ぶ-人間の持つ最強の能力
「信じる」ことこそ僕たち人間(ホモ・サピエンス)の特殊能力だと思う。
幸せ=お金だと考える人も少なくない。
しかし、お金とは言ってみればただの「紙」である。
コピー用紙を両手で持ってビリビリ破ると何も感じないのに、お金を破ると勿体なく感じる。
それは何故か。
「僕たちはお金を信じているから」である。
全人類が「お金には価値がある」と信じているからこそ、お金を使ってあらゆるサービスを享受することができる。
そしてお金の力で社会経済は発展し、成長を続けており、僕たち人間(ホモ・サピエンス)は地球の覇権を握った。
しかし「信じる」ことが僕たちの特殊能力と言ってもパッとこない人も多いと思う。
「信じる」という能力が僕たちにどのような恩恵をもたらしてきたか説明していく。
信じるという能力
大昔には僕たち「ホモ・サピエンス」以外にも「ネアンデルタール人」など多くの猿人類がいた。
ホモ・サピエンスとネアンデルタール人は脳の大きさが一緒、二足歩行で、さらには声も出せるので生存の条件は同じだった。
しかし、生き残ったのはホモ・サピエンスだけだった。
何故か。
ホモ・サピエンスには特殊能力があったからだ。
それは「信じる」
つまり「フィクション」を作る能力だ。
ホモ・サピエンスは一つのフィクションを集団で信じて団結することができる。
「宗教」はその最たる例だと思う。
現に古代ローマ帝国ではキリスト教を国教にすることで、一体感を出すことに成功し、みんなが一つ目標に向かっていって領土を拡大していった。
様々な宗教が現在でも残っている事実こそ、ホモ・サピエンスにはフィクションを作る力があることを象徴しているのではないだろうか。
しかし時は進み、「科学」の発展によって宗教のフィクションは偽りだったと暴かれてしまう。
そこで僕たち人間は宗教に変わる新しいフィクションを作り出した。
「イデオロギー」だ。
共産主義や資本主義などのイデオロギーは、宗教に代わる人間のフィクションに過ぎない。
そのフィクションの中で僕たちは今も生活している。
僕たちが信じている資本主義という名のフィクションはこうだ。
「お金を稼げば生活が豊かになって幸せになれる」
それを信じてるからこそ、僕らは汗水垂らして働き、会社は社会のために利益を出す。
「利益を出すと幸せになれる」というフィクションの中に僕らは生きているからだ。
昔の人がギリシャやエジプトの神々を心から信じていたことや、生贄で病が治るとされていた状況を科学が発達した現代から見ると愚かに感じることだろう。
しかし僕たちも今、「資本主義」という名のフィクションを信じて、その中で生きている。
未来の人から見たら、今の僕たちも愚かだと思われるのかもしれない。
しかしそのままでいいと思う。
僕たちがここまで成功できたのが「信じる」力のおかげだということはフィクションではなく「事実」だからだ。
僕たちにはそのような特殊能力があることを、心の片隅で覚えておくだけでも世界が少し違って見えると思う。
おわりに
最後にこれだけは言っておかなければならないことがある。
「信じる」ことは僕らだけの特殊能力だからこそ、僕らは何かを信じていかなければ「幸せ」にはなれない。
信じるものは宗教やイデオロギーでもいいが、最も信じてほしいと僕が思ってるものがある。
それは「あなた」自身だ。
あなたが自分自身の可能性をフィクションでもいいから信じ続けてほしい。
自分を信じ続ける限りあなたは「幸せ」を感じられるだろう。
僕らはフィクションを現実だと「信じる」ことができる天才なのだから。